認知症の基礎知識と介護についてのポイント、コミュニケーションの方法

認知症の基礎知識と介護のポイント、そして認知症の方とのコミュニケーションの方法をご紹介します。認知症は高齢化が進む日本では、すでに身近な病気になりました。しかし、認知症の方といざ関わるとなるとどうしていいものかわからないものです。認知症患者を支えることは社会全体の課題。そんな社会実現のために、まずは一人ひとりが認知症について学ぶことから始めてみましょう。

認知症の基礎知識

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日本社会の高齢化が加速し、認知症という病気はひじょうに身近なものになりました。認知症になると、日常生活や人とコミュニケーションをとることが難しくなるので、本人も家族も、生活に大きな支障を来すことになります。認知症の方がいざ近くにいるとなると、家族は不安になるものですが、病気についての正しい知識を身につけることで、不安な気持ちを少しでも抑え、病気ともだんだんと向き合えるようになります。

認知症の原因

認知症の原因は「病気」です。しかし、認知症を引き起こすとされる病気はいくつかあります。認知症は、その病気により症状、治療法が異なるため、なるべく早期に医師に相談し、診断を受けたいものです。

・アルツハイマー病
認知症を引き起こすとされる病気で、もっともよく知られているのが、この「アルツハイマー病」でしょう。「海馬」と呼ばれる大脳の側頭葉部分が縮んでいくことが特徴です。発病当初は元気ですが、そのうちに脳の機能が低下し、寝たきり状態になります。病気の進行を遅くする治療が有効です。
・レビー小体型認知症
手の震え、こわばり、小刻みな歩様、無表情など、パーキンソン病にも似た症状が特徴の病気です。側頭葉、後頭葉が萎縮することにより、機能が低下します。
・血管性認知症
脳血管の梗塞などにより脳の働きが低下して起きる病気です。手足の麻痺や運動に障害が現れることが特徴です。認知症の症状が出たり出なかったりという「まだら症状」が出ることもあります。
・脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など
脳腫瘍や慢性硬膜下血腫を原因とする認知症は、手術や治療を行うことで症状改善の可能性が上昇します。
・甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、気力の低下やもの忘れなどの症状を引き起こすことがあります。ホルモン製剤を服用すると、症状は驚くほど改善します。
・前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、前頭葉、側頭葉などが萎縮することで起こります。脳のこれらの部分は、高度な判断に影響することが知られていて、発症すると社会生活がひじょうに難しくなります。落ち着きがなくなる、無関心などの症状がみられる場合もあります。

認知症の症状

脳の働きが低下することにより認知症の症状が出ますが、これを「中核症状」と呼びます。また、環境や体験などにより出てくる症状のことを「周辺症状」と呼びます。

・中核症状
中核症状には、記憶障害(もの忘れ)や実行機能障害(物事を、段取りをもって実行できない)、見当識障害(日時や場所がわからない)などがあります。
歳をとると、レベルの差こそあれ、誰でももの忘れすることはありますが、認知症を発症すると、「何かを思い出せない」というレベルではなく、その体験自体が忘れられてしまいます。
そのほか、正しい判断ができない「判断力の低下」。新しいことを理解できない「理解力の低下」などが中核症状として、すべての認知症患者に現れます。
・周辺症状
周辺症状は不安や恐怖感から引き起こされる認知症の症状です。幻覚、妄想、徘徊、過食などを発症しますが、環境やコミュニケーションの方法を変えることで症状が改善する場合もあります。 そのほか、「話し出したら止まらなくなる」「じっとしていられない」「排泄トラブル」「暴言」「昼夜逆転」なども周辺症状に含まれ、多くの認知症患者にこれらの症状が現れます。

認知症介護のポイント

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認知症の人の介護は、症状を進行させないため、ポイントを押さえて行うことが大切です。認知症は本人や家族にとって、最初は何もわからず、困惑してしまいますが、病気について正しく知れば、症状悪化を防ぐなど、適切に対応できるようになります。

認知症の方への対応

認知症の方への対応は、そうかんたんなことではありませんが、なるべく「相手に合わせる」という考え方で進めていきましょう。
認知症の方が、なんらかの問題行動をとってしまったとしても、叱らず、否定せず、指摘せず、などの対応をとるようにしましょう。認知症の方は、叱られたり、指摘されたりすることでプライドを傷つけられたと感じることがあります。
認知症の症状を発症している人でもできることはあります。できることはやってもらう。これにより、本人の達成感や信頼感の醸成につながります。
環境を、認知症の方に合わせることも大切です。生活環境や生活習慣など、認知症の方のペースに合わせていくことも大切です。環境面では、なるべく孤独を感じさせないような努力も効果的です。
また、認知症の方からは、目を離さず、おかしな行動をとっていないか観察することが大切です。イライラ、ソワソワなどの症状が現れないか、普段から注視しましょう。

介護によるストレスを乗り越える

介護する人が、介護によるストレスで疲弊してしまうことは、介護の現場ではよく起こることです。このようなストレスは、一人で抱え込んでも、なかなか乗り越えることはできません。家庭での介護は、家族全員が協力の下で行われるべきこと。まずは家族や親戚に相談しましょう。
しかし、家族の協力が得られないというケースも実際には存在します。その場合は、地域包括支援センターなど、専門家がいる施設に相談してみましょう。自治体も介護指導や介護教室などを開いている場合があるので利用してしましょう。
介護は休みなく続くものですが、それでも息抜きは必要です。ホームヘルパーやデイサービスなどの利用も、積極的に検討してみましょう。要介護度により、利用可能な介護サービスはさまざまです。介護によるストレスを乗り越えるためには、誰かに頼ることも必要なことなのです。

バリデーション・認知症の方とのコミュニケーション

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認知症の方とのコミュニケーションの方法として、「バリデーション」が挙げられます。バリデーションは、アルツハイマー病や、症状の似た認知症の方とのコミュニケーションの方法で、感情に注目しているところが特徴です。
バリデーションでは、認知症の方が感情を表すことを促します。認知症の方への対応として、本人の感情にはなるべく触らずに進める方法もありますが、バリデーションにおいては、本人のネガティブな感情でさえも表に出すことを促します。これは人生の終末期を迎えた高齢者が、やり残したことと闘うためのサポートという考え方によるものです。バリデーションは、認知症を患った方が、自身の存在価値を確認するためのサポートなのです。

バリデーションの実際

・傾聴
認知症を患っている方の発する言葉だけではなく、その奥にある感情を聴こうとする努力です。五感を駆使して本当に言いたいことを、本人の言動を繰り返しながら探っていきます。
・共感
認知症の方の姿勢や表情、鼓動、呼吸の様子に気を配り、介護者はそれらを合わせていきます。
・うそ、ごまかしは御法度
バリデーションでは、うそやごまかしは御法度です。認知症の方の言動を繰り返しながら、本心を探っていきます。 このほか、本人のペースに合わせる、本人がやりたくないことは強制しない、などがバリデーションでは求められます。バリデーションは、認知症の方に寄り添い、合わせることの中から言動を理解し、信頼関係を構築します。